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3D背景デザイナーインタビュー
『NieR Replicant ver.1.22474487139…』で背景制作のリーダーを担当
自己紹介をお願いします。
背景モデラーをしています、Mと言います。
トイロジックに入社してからのご経歴を教えてください。
新卒で入って10年目になります。美術大学を経て入社するまで、3Dの経験はほぼありませんでした。最初の2年くらいは2頭身キャラのモデル制作や簡単なエフェクト制作などで経験を積んで、それ以降は背景制作に集中して携わり、現在はアクションゲームの背景を作成しています。
ゲーム業界を選んだきっかけはなんですか?
子どものころから風景が好きで、遠足に行くとインスタントカメラで風景ばかり撮影していました。そのまま好きが高じて、就職活動の際も風景に携われる仕事を探していました。アニメの背景制作とか、屋久島のインストラクターといった候補もあったのですが、ゲームなら自分が作った好きな背景の中を歩けると気付いて、他にはない魅力を感じてこの業界を選びました。
『NieR Replicant ver.1.22474487139…』ではどのような仕事を担当しましたか?
背景チームのリーダーを担当しました。リーダーとしての主な業務は、チームへの情報伝達と、上がってくる背景のクオリティチェックです。そのほかに実作業では、主にライティングや環境設定を担当しました
『NieR Replicant ver.1.22474487139…』の背景制作では、どんなことが求められましたか?
10年以上前に発売された作品のバージョンアップということで、当時とはもちろん開発環境もメンバーも違います。それでも原作の良さを残しつつ、今の技術でより良いものにしてユーザーに届けることが求められました。言葉にするとシンプルになりますが、実際は試行錯誤の繰り返しです。例えば原作からモデルを動かしすぎると、イベントのカメラやAIの挙動、バトルなど、様々な部分に影響が出てきます。そのため、背景チームは何度も通しプレイで原作を把握しながら、全体のバランスが整うようにクオリティアップの作業を進めていきました。
また、『NieR:Automata』に続く作品ということでライティングや空気感は意識しました。幸田和磨さんが今作のために描き下ろしてくださった
コンセプトアートの再現は、特に力を入れてがんばった部分
です。
楽しい反面、責任も大きいライティングの調整
背景を制作していて、最も楽しく感じるのはどんな時ですか?
最後にライティングを詰めて仕上げる時が一番好きですね。自分の微調整次第で絵が大きく変わってしまうので楽しい反面、責任も大きいです。初めにアートの方にライティングの計画は立てていただくのですが、実際にそれを
ゲームに落とし込んで、アートに近付けるのは背景チームの役割
です。つまり最終的なライティングの責任は、背景チーム班が持つことになります。腕の見せ所となるので、大変ですがやりがいを感じます。
背景制作のリーダーとして仕事する上で、一番大事にしていることを教えてください。
作業者から出た意見を、できるだけプロジェクトに反映することです。リーダーにはいろいろな形があると思うのですが、私の場合は積極的にチームの意見に耳を傾けることを特に意識しています。作業に集中しやすい環境であったり、新たに導入したいツール類であったりを定期的にヒアリングして、可能な限りそのまま実現するようにしていました。チームを取りまとめるリーダーの業務は、直接ユーザーの手に届きませんが、作業者の業務はユーザーに直結しています。だからこそ、作業しやすい環境作りを第一に考えるようにしています。
もちろん、全ての要望に応えるのは難しいですが、チーム全員に「自分の発言はプロジェクトに通る」という認識を持ってもらうことが、より重要な目的です。そうやってまずは
個人個人が発言しやすい雰囲気を作ること
で、快適な作業環境の構築を目指します。そしてそれが作品のクオリティアップに繋がっていくように努めたいと思っています。とはいえこうした環境作りに対する取り組みは、私自身も完璧にできているとは言い難いので、引き続き努力が必要な部分でもありますね。
専門性と多様性を両立できる開発規模
トイロジックに入社して良かった!と思うのはどんな時ですか?
背景制作の中でも、いろいろなことに挑戦できる時ですね。会社の規模が今より大きいと、作業内容の専門性が高くなると思います。背景の中でもライティングだけとか。逆に規模が小さいと、例えば一人でエフェクトとモーションを掛け持ちする必要が出てくると思うんです。
今のトイロジックだと背景に集中しつつ、背景の中で多様なことをやらせてもらえていて、
この規模感だからこそできる開発
がすごく肌に合っています。
普段の生活の中や趣味などで、背景デザインに活かすためにインプットを行っていることはありますか?
様々なゲームで背景の観察を行っています。パッケージを見て、背景に惹かれたらとりあえず買ってしまっていますね。ゲームの中でゆっくり歩きながら地面のテクスチャーを数えてみたり、ライティングの良さを分析したり……。これはぜひ自分のプロジェクトでもやってみたいという手法やアイデアがあれば、積極的に取り入れるようにしています。
ゲーム以外で言うと、趣味のカメラですね。撮影する時に構図を考える工程が、絵作りのセンスを鍛えることにつながっていると感じます。あと仕事を始めてから知ったこととして、カメラの絞りやEV値といった機能の知識が仕事に直結していて役立っています。
職種の枠にとらわれない、主体的なデザイナー
PS5やXbox Series Xなど次世代ハードも発売され、グラフィック表現手法やツールも日々進化していますが、トイロジックのデザイナーはそういった変化に対し、どのように取り組んでいますか?
すごく社内でも意識が高まっている話題ですね。いろいろな取り組みがありますが、一つ例を挙げると、社内には技術向上委員会があり私も所属しています。
技術向上委員会では複数のプロジェクトを横断して、技術やノウハウを共有する定例会を実施
し意見交換をしています。
そのほか社内のデザイナー全体のスキル向上のため、
勉強時間を確保できるような制度作り
にも取り組んでいます。もちろん私も個人として、技術の進歩をキャッチアップしていけるよう、新しいツールや手法の研究はしていこうと日頃から心掛けています。
ご自身の課題や、今後の目標としていることはありますか?
リーダーとしての自分と、作業者としての自分をしっかり両立することです。
年数的にいち作業員ではなく、様々な役割を求められることが多くなってきたので、しっかりとマルチタスクでこなしていきたいと思っています。そのためにも時間配分に気を付けて、短時間でよりクオリティの高い成果物を上げる技術力を磨いていくことが課題だと感じています。
トイロジックへの転職を考えられている方に向けて、何かメッセージをお願いします。
デザイナーという枠にとらわれず、
主体的に自分の意見を発信できる方
とぜひ一緒に働きたいと思います。
トイロジックでは「ゲームのルールはプランナーが決めなければいけない」といった決まりがあるわけではなくて、むしろゲームを面白くするためにはデザイナーもプログラマーも職種問わず意見を求められます。そんな時、積極的に提案できる人ならきっと活躍できると思います。
トイロジックでは
デザイナーを
積極採用
しています。
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